長らく入手困難となっていた、nOrikO (POiSON GiRL FRiEND)+NObby uNOによるユニットKiss-O-Maticが1996年に発表したアルバム「Circularhythm」をデジタル配信で2020.11.27に再発売いたします。
12月にはEP「Sambanista!」と「St. Angelique」もリイシュー予定!

2020.11.27 Reissue
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Tracklisting

01. tea 4 two (do damix)
02. every little thing
03. planet lab.
04. obscure
05. kiss me
06. you dancin’
07. circularhythm
08. ~fin de siecle
09. tea 4 you (repriz)

Credits
  • All tracks written, played by POiSON GiRL FRiEND and NObby uNO Except guitars by Makoto O2
  • Produced by Kiss-O-Matic
  • Engineered by Masanobu Uno at artcore studio
  • Mastered by Hiroyuki Hosaka at DENON
  • Artwork by K_Sasajima

ウィリアム・オービットに倣ってミックス・ダウンを心ゆくまでやってみた

ポイズン・ガール・フレンド (以下PGF) のnOrikOとZAP名義で活躍しているNObby uNOによるユニット、それがkiss-O-maticだ。
今回nOrikO自身のレーベルでもあるPsycho Planet からリリースされたアルバム「Circularhythm」は、歌ものが中心だったPGFの作品と比べるとフロア・テイストの強いインスト主体の音に仕上がっている。

これを聴いて、高揚感とクールネスが折り混ざったハウス・アルバム・・・・・・と思わず決めつけてしまったのだが、それに対しては、「よかった、ハウスのアルバムと言ってくれるとすごくうれしい。自分の中ではこれはこれはテクノなんじゃないかって思っていたので(笑)」との答えが返ってきた。
またNObbyも、「アシッド以降のハウスを作りたかった。本当はもっとハウスっぽいものをやりたかったくらい・・・・・・そうですね、個人的にはフランソワ・ケヴォーキアンのようなものがやりたかった」のだという。

アシッド・ハウスの波がUKにも押し寄せた80年代末。それは2人がクラブにどっぷりと浸かった時期でもあり、その影響は2人の中にいまだに強く残っているという。
「このアルバムを作るにあたって、例えば88〜89年くらいの808ステイトを聴き直したりしてました。あの時代の人の音をやりたかったというのは強くありましたし、懐古主義と思われたくないんですけど、あのころの素晴らしさや衝撃は本当に忘れられないものだったし、私たちの中では今も新鮮であり続けているんです(nOrikO)」
ザ・スミス、ニュー・オーダーなどマンチェスター出身のグループに影響を受けたというnOrikOだが、今作の作る上で大きな助けとなったのは、偶然にもこれまたマンチェスターのLambのアルバムであったという。

「ポーティスヘッドやトリッキーも確かに素晴らしいんだけど、何か自分達とは違うものを感じていた。でもLambは本当に僕たちを解放してくれた。リズムの組み方とか、音楽を作る上でこんなにも自由にやっていいんだと大きな助けとなりましたね。特に「Every Little Thing 」(編注:本誌付録CDに収録)には、その影響がすごく現れていると思います」(NObby)

また今回の制作の中で最もこだわったのがミックス・ダウン。1曲に5日間もかけたものもあるほどの熱の入れようで、ある意味レコーディングよりも重点を置いていたことろだったらしい。そしてそれは2人と親交が深く、かつ最も敬愛するウィリアム・オービットの作業をNObbyが彼のスタジオで見たことに倣っている。
「ウィリアムがミックス・ダウンをやるときはスタジオに1人きりでこもり、最低でも1曲に3日間くらいかけて色々トライする。そこでの衝撃が忘れられず、以来ああいうふうにやりたいと思っていたんです。幾つか彼に教えてもらったテクニックもやってみたかったし。今回はすべてプライベート・スタジオで制作したので、心ゆくまで作業ができて満足しています(NObby)」

さて、今作は新ユニットkiss-O-maticの華麗なるスタートとともに、しばらく活動休止していたPsycho Planetの新生第1弾という意味も含まれている。
最後にnOrikOにレーベルの今後について聞いてみた。

「PGFの作品も来春だす予定ですが、レーベルも本業を入れていきます。まず別名義でプロディジーみたいなハード・ギターをフィーチャーしたものを出そうと思っているところです。もちろん私たち以外の作品も出したいので、どんどんデモ・テープを送ってください」

サウンド&レコーディング・マガジン 1997年1月号別冊 GROOVE 誌より

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